特別な気持ちで見る春の雪(2)
なかなか寝付かない小さいスタッフも
23時をまわる頃にはすっかり眠り
安心させるために一緒にベッドに入った私もついうとうとと…
わりとしっかり寝てしまったその時
旅館全体が大きく揺れました
ビックリして目を覚まし
思わず小さいスタッフの上に覆いかぶさり
揺れに耐えていたら
電気スタンドが私の背中にバタンと倒れ
私がさっきまで使っていたの枕の上に
天井からぶら下がっていた照明がドスッ、ガシャーンと落ちて割れた
ボスの声がするけども動くことができませんでした
でも何とか寝室を脱出し上着を着せ外へ
その頃には既に駆けつけてくれたスタッフたちとボスがお客様を誘導していました
小さいスタッフを安全な場所に置いて私も誘導と
館内から毛布などを持ち出す
その時にまた大きな揺れ
駐車場のアスファルトが海のように大きく波打ち
停めてあった車が大きく動きます
「まじか…」
その時思ったのは正直これだけでした
眠ることもないまま夜が明け
何とか持ち出したPCで
お客様の帰りのルート確認やご予約頂いていたお客様へ断りの連絡をし
余震に怯えながら必要最低限の荷物の運び出し等
目まぐるしく時間が過ぎてゆきました
その中でお客様からの激励の電話やメール、お手紙も頂きました
たくさんの支援物資も送って頂きました
かわいそうに
そう言われたけど実は私たちはへこたれていませんでした
約2週間後の5/1には1回めの図面を書き始めていました笑
片付けや荷物の移動などの作業が終わったら
スタッフたちとはしばしお別れ
運び出しが終わってガランとした客室を見るとなんだか悔しかったです
近くの旅館にお世話になったり
地元に戻る子もいましたが
時々食事会で集まって近況を報告し合ったりして3年間はあっという間
たくさんの方々に支えられ
新たなスタートを切ることができました
とても幸運な事です
まだまだスタートを切れない方も多い中
私たちは本当に運が良かったのです
そう考えると辛い事など何ひとつ無かった
そう思えます
でも熊本地震の事は忘れないでおこう
あの夜にたくさんの人の人生が変わってしまったのだから
残った者として精一杯頑張っていきたいです
そして今回のコロナウイルスでももっと大変な思いをしている人はたくさんいます
そんな方々に比べたら何の問題もありません!
スタッフみんなで今回も元気に乗り切りたいと思っています!!